たかが深爪のはずが、緊急外来へ駆け込み

トラブル

トラブルは突如、何の前触れもなく訪れる。今回も例外にあらず、ある日、爪を切った際に、深爪になってしまったことを端緒に、思いもよらない事態になってしまった。

爪を切っただけなのに…

爪を切るといういつもと何も変わらない作業をしたつもりだった。若干、深爪気味に短くなってしまったが、次に爪を切るまでの周期が伸びたくらいにしか感じなかった。

後日、深爪になってしまった右指の親指の爪の中に、黒い斑点が現れた。ボールペンでぽつんと点を付けたような大きさ。短く爪を切り過ぎたので、その後に何かが起きたのだろうかとも考えたが、特に気にすることなく数日の間、放置しておいた。

黒い斑点がみるみる爪の内部を侵食

みるみる内に化膿しているような部分が拡大していった

ボールペンのペン先ほどにしか過ぎなかった斑点が、爪の内部でじわじわと勢力を拡大し、ずきずきとした痛みも伴うようになってきた。さすがに、ただの小さな斑点では済ませられない事態になってきた。

しかし、病院に行こうにも何科を受診すればよいのか不明だ。「爪」「炎症」などで検索をかけてみる。おそらく、皮膚科か整形外科が専門医となりそうだ。

さらに近所の皮膚科を検索すると、それなりのクリニックの数がヒットするも、どこも美容関連の皮膚科のようだ。ワッツアップでコンタクトがとれそうな医院に、爪の状態の写真を送って、診察してもらえるか尋ねてみたが、うちでは治療は取り扱っていないとの返答。律儀に返事を返してくれるだけありがたいか。

埒が明かないまま、日が過ぎていき、爪の浸食は日ごとに拡大していき、何らかの治療なり、薬の服用をしなければまずいということが素人ながらにも察しがつく状態にまでなってしまったが、肝心の皮膚科の病院がなかなか見つからない。

困ったときの緊急外来

緊急外来の待合室 あまり切羽詰まった感じの患者は見受けられない

ブラジルに住んでいた時も何科にかかればよいのか不明の際は、ひとまず病院の緊急外来に駆け込んでいたのを思い出し、緊急外来を検索し、歩いて10分ほどの病院に向かう。

親指1本の爪だけの症状で緊急外来に駆け込んでいることに、若干後ろめたさも感じたが、待合室には、他にも緊急を要さないようにしかみえない患者たちが待っているので、気にすることなく手続き。

まずは、番号札を取り会計担当の職員に呼ばれるまで待機。会計担当から、加入している保険等の質問を受ける。一旦は全額自己負担で支払う、クレジットカードも持参していると告げ、支払い能力ありと証明された文書を渡され、IDカードを会計場所に預けるように指示された。

その後、問診に呼ばれ、どのように爪の問題が発生したか説明。緊急外来でも診察はしてもらえるということだが、待ち時間が3、4時間くらいかかるということだった。

本など時間をつぶせるものを持ってくるべきだった。携帯の充電も40%ほどで、充電器も持参してない。おまけに待合室、クーラーががんがんに効いていて寒い。

一旦、帰宅してもよいか尋ねると、順番が前後する可能性があるので、待合室にいなさい!順番が来た時に居なければ、診察できくなる可能性があると脅され、仕方なく待機。

番号札はA40となっているが、到着した際はA20の患者さんまでが診察に入っていた。前に20人待ち。1人15分で完了したとしても300分。5時間。気が遠くなる。

予期せぬお尻に注射

入院ベッドなのか、カーテンで仕切られた中に患者が待機している

A39 までは1時間ほどでテンポよく進んでいったので、予想外に早く診察してもらえると期待が高まったが、ここからが長かった。結局、あと1人の自分の番号が呼ばれるまでにさらに1時間以上待つことになった。

ようやく通された場所は、診察室ではなく、詰所のような場所で、パソコンに向かう医師と看護師の周りを囲むように、ベッドが配置され、カーテンで閉ざされている。なんだろうこのスペース。入院病棟みたいだ。

詰所のパソコンの前にイスが3,4脚並べられ、そこに座って待つように指示される。こんなところで?との疑問は消えなかったが、指示に従うほかない。

しばらくして現れた医師に、最初の問診と同じように状況を説明。何度も、指をぶつけたり、どこかに挟んだりしたわけではないか、確認されたが、ただ爪を切っただけと返答。

医師の診察後、看護師に別室に連れていかれる。指を消毒しなければならないが、その前に、抗生物質の注射を打つから、お尻出してと。たかが親指の爪の問題と思っていたが、まさか半ケツにさせられ、注射を打たれるとは。

その後、指を消毒され、クリームをつけ包帯を巻かれる。2、3日このままで様子を見てといいうことだった。

緊急外来の費用は6000円。診察より高い薬代

初めての緊急外来への駆け込みは無事に終了。費用は211,493ペソ(約6,300円)。驚くほど料金が高いというわけではない。お会計を済ませたら、時刻はすでに21時を回っていた。18時過ぎに駆け付けたので、やはり、当初に見通し通り、3時間以上かかってしまった。

病院内の薬局で処方箋を購入。抗生物質など2種類の薬だけだったが、費用は250,900ペソ(約7,500円)。診察料より高い薬代。仕方ない。

一旦、診察を受けただけでも、精神的な不安は和らいだ。後は、薬が効果を果たして、指の状況が良くなることを祈るのみだ。(続く)

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