休暇を利用しての一時帰国は、ベネズエラからの商業便が限られているため、ターキッシュエアラインズで首都カラカスからトルコ・イスタンブールを経由して大阪(関西国際空港)に到着する便を選択。まずは、カラカスからイスタンブールまでのフライトの搭乗記を紹介する話。
ベネズエラ発のフライトはチェックだらけ
今回のフライトスケジュールはカラカス14:40発、イスタンブールには翌日9:30着の11時間50分の飛行時間。使用機材はボーイング787-9
以前に搭乗したイスタンブール~カラカス便の折り返し便。
出発3時間ほど前にチェックインカウンターに到着。すでに手続きは開始されているようで、特段、長蛇の列もなくすんなりと順番が回ってきた。荷物は最終目的地の関西国際空港まで運んでくれるといういうことで、無事にチェックイン完了。搭乗券を受け取り、検査場へと思いきや、荷物のチェックが済んだら搭乗券を手渡すので、チェックインカウンターの付近で待機するように命じられる。
カウンターの内側にはX線の装置があり、荷物が検査にかけられていく。警察によるチェックが終わると、係員が搭乗券を手に近付いてきて手続き完了。
チェックインカウンターを去る前に、スターアライアンスゴールドの資格で利用できるラウンジがあるか尋ねると、何やら再び手続きを始め、ラウンジにアクセスできるチケットを発券してくれた。これを尋ねなければラウンジに入れなかった可能性もあったので、忘れずに聞いておいてよかった。
13:58に搭乗手続き開始。搭乗口には再びX線の機器と警察官の姿。ボディチェックの実施。搭乗まで何度も検査を受けなければいけない。
どんな乗客がトルコまで向かうのかと待機している人たちを眺めていると、世界中どこでもそうだが、中国人の姿が目につく。
出発遅延で機内はカオス状態
幾度に渡るセキュリティチェックを通過してようやく搭乗。優先搭乗を利用して長蛇の列を避けていち早く機内に乗り込めたと思ったのに、なぜか機内には既に多くの乗客が着席した状態。一瞬、事態が飲み込めず混乱。
すぐに、この便がパナマかコロンビアのボゴタからカラカスを経由してイスタンブールに向かう便と想像が付いた。実際には、この便はキューバのハバナから到着していた。流行りなのか、機内にはポーランド人の団体ツアー客の姿。搭乗率の低さを期待していたが、既に満席にも見える機内。エコノミー席は3-3-3の配列で、無料で配置された座席は、通路側が確保できたが、またしてもトイレの傍。
着席するやどっと疲れが押し寄せてきて、そのまましばらく眠りに落ちる。15:00前に目が覚めたが、まだ飛行機は離陸していない模様。ハバナからの乗客は、ただでさえ、カラカスの乗り継ぎで待たされている上、出発が遅れるとなると、堪ったもんじゃないと想像する。
機内アナウンスで荷物の積み込みに問題が生じているため、出発が遅れるとの案内。アナウンスはトルコ語と英語のみで、事態を理解できていない乗客も多く、カオス状態に。乗客が次々と席を立ちギャレーに向かい、客室乗務員に水や軽食を求める。じっと席で待っていられる状態ではないのだろう。
飛行機のドアは開いたまま、一向に出発する気配が見られない。最初のアナウンスから40分後、機長アナウンスが流れ、問題がまだ解決していないため離陸できないとの説明。どうやら積み荷をしなければならない荷物が積み込まれていない模様。このアナウンスを受け、カオス状態の機内を落ち着かせるため、客室乗務員が乗客にペットボトルの水の配布を始める。
しかし、それでも席を立ったり、トイレに向かったりと無秩序状態の機内にストレスが増していく。
いつの間にかドアが閉まり、15:58に機体が突然プッシュバックされ、動き出す。機内はトイレに行ったり、軽食を求めるためにギャレーを目指したりして立っている乗客もいたため、客室乗務員が着席を促す。カオス状態がピークに。
16:10、予定より1時間半遅れてようやく離陸。これで少し、機内のカオス状態が落ち着く。
キューバからベネズエラでの乗り換え待ちのフライトが遅延したという事情を考慮しても、節度のない乗客の態度はいただけない。おまけにカオス状態はこれだけでは済まなかった。
機内の灯りが消灯してからトイレに向かうと、非常扉付近の座席の乗客は、扉の前のスペースに横たわるようにして眠っている。数えきれないほど飛行機に搭乗してきたが、見たこともない光景。乱気流に巻き込まれたら、大惨事になる可能性あり。
安全上の問題からさすがにこの態度は許容できるものではないため、客室乗務員に注意されたのか、次にトイレに立ったときは、この乗客はきちんと座席に着席して休んでいた。
カオス状態は離陸前や飛行中だけにとどまらず、着陸した際にピークを迎える。ドンという音を立て飛行機のタイヤが滑走路に付くと、カチャカチャとシートベルトのバックルを外す音があちらこちらから聞こえてくる。
駐機場に向かうため、まだまだ結構な速度を保っていた機体だが、そんなのお構いなしと言わんばかりに、数名の乗客が立ち上がり、棚入れを開けて荷物を取り始める。その動きにつられるように、他の乗客も続く。
飛行機が完全に停止してシートベルトサインが消えるまで荷物を取り出さないというのは一般常識ではないのか。この便の乗客が飛行機に乗り慣れていないのか、ターキッシュエアラインズの機内アナウンスがトルコ語と英語に限られていたせいなのか、再び機内はカオス状態。
客室乗務員が文字通り飛んできて、次々に開けられた棚入れを閉めて、乗客に着席するように命じるが、言葉が通じない乗客もいて、秩序が取り戻されるのにはしばし時間を要した。こういう乗客が多いと客室乗務員の仕事も骨が折れるだろう。
機内食は及第点、アメニティポーチのデザインが変更
カオス状態だった機内の状態はさておき、ターキッシュエアラインズで外せないのが機内食のレポート。南米発着の便なので、ケータリングの質は落ちるだろうと予測。
離陸後のメニューは鯛かカネロ二 冒険かもしれないが前者を選択。
見た目はお世辞にもおいしそうに見えない鯛。カネロ二を選択しておくべきだったと一瞬後悔の念がよぎったが、味わいは生臭さもなくあっさりとした印象。添えられたズッキーニと人参はオイリーで好みではなかった。
パンは調理していたときに機内に漂ってきた香り通りの香ばしさがあり、ナスのペーストはトルコ料理の中で一番、作り方を覚えたくなるほど。デザートのチョコレートケーキは柔らかすぎず、肩過ぎず、弾力感が絶妙。
さすがのターキッシュエアラインズ 南米発の便でクオリティの高い機内食を提供してくれる。
離陸前の2度目の機内食は朝食メニューで、オムレツかパンケーキ。これは後者を選択した他の乗客が手にした機内食を見た限り、前者のオムレツを選んで正解だった。
ジャガイモは食感がフニャフニャしすぎていたが、主役のオムレツは色合い、火加減ともに問題なし。チーズはかなり匂いが強めのものだったが、キュウリとトマトと一緒に食べればあっさりと食べられた。
朝食メニューなので、それほどの感動はなく、お腹を満たせたという印象。
ターキッシュエアラインズはエコノミークラスにもアメニティキットを配布してくれる。歯ブラシ、耳栓、スリッパ、ソックス、リップ、アイマスクと内容は前回のターキッシュエアラインズを利用したときと変わり映えがなかったが、これらのアメニティを入れるポーチのデザインが変更され、トルコの名所や名物などが描かれており、とても洗練された印象。ポーチだけでもお土産に手渡しできそうなくらい。
午後の便ということで、映画を存分に楽しむつもりが結局のところ、「Dear Gradma (El Vasco)」の一本のみの鑑賞に終わり、後の時間は寝るか機内食を頂くかで終わってしまった。
このフライトの機内の空調の温度設定は心地よく、寒さに凍える必要はなかった。
窓の外が妙に明るいなと思い目をやると、きれいな満月が飛行機を照らしている。カオス状態のフライトも、満月の美しさでチャラになりそう。
3021ANAマイルを獲得
ターキッシュエアラインズはANAと同じスターアライアンス加盟社なので、今回のフライトもANAマイルを登録。カラカス~イスタンブール間のフライトTクラスで3,021マイルを獲得。マイルでファーストクラスの夢にまた一歩前進。