コロンビア人と働くということ

仕事

パンデミックの状況も落ち着き、いよいよ100%オフィスへの回帰となった。これまではコロンビアで仕事をしているといっても、ホームオフィスが続いて、2022年度に入ってからは、週に2度ほど出勤するようになっても、まだまだオフィスは閑古鳥が鳴いているような状態だったので、あまりコロンビア人と一緒に働いているという実感が沸かなかった。しかし、同僚で溢れるオフィスで毎日一緒に仕事をするようになると、良くも悪くもコロンビア人と働くことはどうなるかが垣間見えてきた。

時間にはルーズ

これはラテンアメリカあるあるなので、特に驚くこともなし。8時30分に定められた始業開始時間は、多くの同僚にとってはオフィスに到着する時間と認識されているので、あくまで職場に着く目安にしか過ぎない。

近所に住む同僚とタクシーをシェアして通勤しているが、時折、朝のラッシュにつかまってしまい、オフィスへの到着が8時30分を過ぎてしまうこともしばしば。それでも、それじゃもっと早く出発しようという議論は起きない。始業開始時刻過ぎにオフィスに到着しても渋滞だったから仕方ないと割り切っている。一方、同僚の中にはラッシュを避けるために8時過ぎにはオフィスに着いている人もいる。

時間のルーズさは締め切りにも表れる。決められた締め切りが守られることは稀有であり、レポートを書くために必要な情報を求める場合には、第一に締め切りを早めに設定して通知。締め切り1週間前にリマインダー。締め切り当日に更なるリマインダー。締め切り日1週間後、最後通告。1つの依頼を終わらせるのに最大4回も同じ内容のメールを送らなければならなにのにはさずがに骨が折れる。

おしゃべりタイムが不可欠

オフィスに着くや、始まるのがおしゃべりタイム。さっさとパソコンを立ち上げて、その日のタスクに取り掛かるという訳ではない。しかし、このコミュニケーションはコロンビア人にとりとっても重要なようだ。

就業中も、仕事の用件でもないのに別の部署にお邪魔しては井戸端会議。もちろんこうしたコミュニケーションから、仕事のアイデアが浮かぶことがあるので、それは結構なことだが、どうも話の内容は仕事以外の完全プライベートマターなことが多いので、あまり効果的には思えない。

別の部署の職員が大声を上げて中に入ってきたかと思えば、「もう見たあいつの髪型?めちゃくちゃ短く髪切ったよな」…??? 散髪をした同僚の髪型のことをわざわざ言いに来たのか。なんか小中学生のような印象を受けることもしばし。

別の日には、ビデオ会議に参加しているのが明らかなのに、わざわざ別の部署からおしゃべりにやって来る。「今日ジム行った?」-尋ねられた同僚も、今、会議中だからと返答して会話を抑止するのではなく、「今日は、ウエイトで太ももを鍛えて、それからプロテイン飲んで」と答えている。本当に自由だ。おまけにこの時は、返答していた同僚のマイクがオンになっていたので、会議中、いきなり何の脈絡もないところからジムでのワークアウトの話が飛び出してしまう事態に。さすがにこれでには同僚も赤面だったが、そもそも会議中なのにしゃべりかけてくる同僚に根本的な問題があるのだ。

会議室ではなく、部署内で同僚と意見交換もかねて集まっていると、仕事中なのにも関わらず、なんのためらいもなく他の部署から人がやってきては雑談を始めるのには時折頭を悩ませられる。そのおしゃべりのせいで、議論が全く進まず、コロンビア人の同僚の集中力も削がれ、おしゃべりに夢中になってしまう。

私用携帯は肌身離さず

同僚とのおしゃべりもさることながら、家族や友人とのコミュニケーションも仕事中と言えども欠かせない。ワッツアップのメッセージ到着のサインが来るや、仕事そっちのけで返信に勤しむ。緊急だったら仕方ないのかもしれないが、どうもそこまでの差し迫った事態でもなさそうだ。

会議中も、退屈になると仕事用の携帯をそっちのけに私用スマホをいじり出す有様。これだけ、自由にコミュニケーションをしていると、仕事ははかどらないとしても、仕事におけるストレスはそれほどかからないのかもしれない。

おやつもマスト

おしゃべりに花を咲かせているうちに、「これ食べる」と毎日のように間食が回ってくる。朝ごはん食べてきてないの?と思わせるくらいの、始業開始直後からのおかしタイム。午後も、さっき昼ごはん食べたばっかりじゃんと思うのに、またお菓子。

コロンビアはデリバリーサービスRappi発祥の地ということもあり、このサービスがさらに勤務中の間食の摂取に拍車をかける。

正直、これまでホームオフィスという環境で、集中すべきときにはゾーンに入るくらいの意識で仕事に取り組めていたのに、こうも周りがおしゃべりやお菓子のおすそ分けで騒がしいと集中力のレベルが全く上がらない。

何とかこの状況に慣れて、仕事の効率をどのようにして挙げていくかが今後の課題になりそうだ。

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