青天の霹靂とはこういうことかと思わせる突然の出来事だった。毎月恒例の上司との面談に呼ばれ、事前に話し合う内容をピックアップして執務室に向かうと、開口一番、首都の事務所に異動してくれと告げられる。その理由も異動先での任務の示されず。文字通り固まってしまった。その上、この面談が行われたのが水曜日、翌週の月曜日には異動先での勤務開始と指示される。
放心状態で引っ越し準備に手付かず
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ベネズエラでの任期も3分の2を過ぎ、仕事や関係先にも慣れラストスパートに向けた期間と考えていた矢先の異動の辞令。何が何だか事態をうまく飲み込めなかった。それでも、引っ越しの準備は進めなければならないが、しばらく放心状態で準備がまったく進まず。
異動を告げられてから2,3日経っても、人事からの正式な連絡が来なかったため、結局1週間の準備期間を与えてもらうことになった。週末を利用して、できるだけ準備を進めたいと思っていたが、何も手に付かず。気持ちが乗らない時は何もしないというのがモットー。自分の気持ちに正直になろう。
結局、最後の週末は何もせず、いつもの散歩コースの大好きな街並みを目に焼き付け、いきつけのパン屋などに異動を知らせるために挨拶周りに時間を費やす。
月曜日から準備をスタートさせ、木曜日の夜に完成させて金曜日に出発という4日で引っ越しの準備取り掛かろう!
最大の難所は日本食
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引っ越しの最大の悩みの種となったのが、日本食。11月末に帰国した際に、残りの任期を想定して、スーツケース4個分近い日本食を調達してきたばかり。少しずつ、消費はしていたものの、まだまだお店を開けるのではないかと思うくらい、在庫がパントリーを埋め尽くしている。
ルームメイトからは、日本語しか表記がなくて、よくわからないものは消費できないから、インスタント味噌汁など、分かりやすいものだけは置いて行ってもOKと釘を刺される。悩ましい。
さらに、無印良品で購入した発酵ぬかどこや、日本のマヨネーズ、味噌など、すでに冷蔵保存しているものも冷蔵庫に数多くあり、温度を保ちながら運搬せねばならない。
トランク2個、スーツケース3個、バックパック2個、ポータブルマットレス、ランチバッグ1個で荷造り完成
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異動は国内線の飛行機のため、航空券に含まれるのは手荷物1個と預入荷物1個(23キロ)まで。さすがに、この量では収まらない。陸路で輸送できる分は、重量制限はないが、次回の事務所間の定期運送便は1カ月も先という。
ということで、1カ月の間になくてはならない物とそうでない物を選別しながら、荷造りスタート。昨年の一時帰国の際に、着ない洋服はすべて持って帰ったので、クローゼットはあっという間に片付き、最後の1、2日に着る洋服のみを残しておく。
トランクに詰めていくと、思いのほかスペースが余ったので、あわよくば、2個あるトランクのうち壊れかけている1個を処分して、陸路輸送はトランク1個だけで十分かもしれないと錯覚。ミニマリストにでもなった気分。
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しかし、甘かった。結局ネックとなったのが、上記に示した日本食材。案外かさばるものも多く、結局、トランク2個のスペースはすぐに埋まってしまう。1個のトランクの上部の隙間を利用して収納した空っぽのバックパックだったが、タオルケットをしまうスペースがなくなってしまったので、そのバックパックをトランクから取り出し、その中に荷物を詰め込んでいく。
さらに手間なのが、陸路での輸送の際には、それぞれのトランクで運送する品目を全て書き出してリスト化しなければならない。荷物を入れてはエクセルの表に項目を記入して、中にはスペイン語での呼び名が存在しないようなものまで。
当初は、楽観的だったスペースも、徐々に余裕がなくなっていき、最終的にはポータブルマットレスを丸めた際に、中心部にできた空間にまで荷物を積める有様。
懸念材料だった冷蔵の食品は、クーラーボックスに保冷剤を入れてスーツケースに収納。半日くらいの異動なのでどうにかなるだろう。
まとまった荷物は、トランク2個、スーツケース3個、バックパック2個、ポータブルマットレス、ランチバック1個!!!
自分の生活がここに凝縮されたことに少々感慨深くなる。
荷物の超過料金は約9,000円
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まとまった荷物のうち、スーツケース3個、バックパック1個、ポータブルマットレス、ランチバック1個は首都カラカスへの国内線の移動に持ち込む。
以前に搭乗したConviasaという航空会社は、預入荷物の超過料金は重量で課金していたが、今回搭乗したEstelarという航空会社は荷物の個数で課金。スーツケース2個とポータブルマットレスが追加分とみなされ計3個。幸い、すべて持ち運べたのでよしとしよう。
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超過料金は3477.60ボリーバル(=約8,800円)、クレジットカード払いで決済が可能だった。事前に経費で精算できることを経理に確認済なので、もはや日本円でいくらなのかは、この時はどうでもよかった。
後からクレジットの明細で1万円少しの請求を確認。荷物3個なので、なかなかリーズナブルではないか。
荷物とともに、新天地のカラカスへ引っ越し完了!と思ったら、数時間もしないうちに、同僚から水筒を忘れているとの連絡。水筒というよりウォーターパックで、半透明ゆえに、パントリーの白い壁のせいで目に付かなかった。
さらに、冷蔵庫に貼っておいたベネズエラ国内旅行をした際のマグネットを荷物に詰め込んでいないことにも気づく。やはり、何かを忘れてしまうのはいつものこと。幸い、この同僚が今度、首都へ出張に来るときにこれらの忘れ物を持参してくれるという。助かった。
後は1カ月後先に陸路で運ばれてくるトランクとバックパックを受け取ったら、引っ越しが完全に終了となる。