ランタンに願いを込めて ベネズエラで迎える新年のカウントダウン

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ベネズエラ赴任生活で迎える新年。1週間ほど前にクリスマスを楽しんだばかりだが、地元の人がどのように年を越すのかにも興味津々。クリスマス、正月と立て続けに大きなイベントが続くが、どちらか一方の行事を盛大に祝う家族もいれば、両方とも同じくらい楽しむというケースもあり、様々なパターンがあるようだ。

地元の友人からのお誘いもあったが、家族だけの空間を邪魔するのはちょっと気が引けたので、仕事の同僚とカウントダウンディナーに出かけ、地元の人に交わりながら新年のカウントダウンを迎える話。

正月メニューはなし?クリスマス料理が年末まで続く

ポサーダと呼ばれる宿泊施設でのカウントダウンディナーへ。当初の計画では、宿泊も考えていたが、予約できる部屋に浴槽がなく、ロフトもないということで、夕食だけのサービスを利用。

夕食込みの宿泊は80ドル(=約12,500円)、夕食のみは40ドルと、ベネズエラの物価を考慮すればなかなかのお値段。年末のイベントで需要が高まるので強気の価格設定なのか。

ポサーダでは、中庭にテントを設置して、レストランではさばききれない客席を臨時で設置。午後8時に到着した際には、他には1組の家族連れの姿があったが、あとはガラガラ。あまりに早く到着しすぎたのかもしれない。

メニューに目を向けると、クリスマスディナーとなっている。1週間前に食べたあの肉肉しい食事を年末のカウントダウンでも食べるのか。どうやら、クリスマスと年末は、メニューに変化はなく、アヤカ、パン・で・ハモン・サラダ・肉となっている。

カウントダウンまで数時間あるので、午後11時くらいから夕食を開始することも一案だったが、この重いメニューはできるだけ早く胃に収めて消化を開始させてあげなければならないというのが、クリスマスからの教訓。ということで、午後9時に夕食の準備をお願いして、それまではポサーダのオープンスペースで同僚とサングリアを飲みながら、2024年の振り返り。仕事でもプライベートでも色々あったが、こうして異国の地・ベネズエラで無事に年末を迎えられたことが感慨深い。

語り合ううちに食事の準備ができたと呼び出しがかかり、テーブルに着く。出されたメニューはデジャヴと思うくらい、クリスマスと同じ料理。

ベネズエラのカウントダウンの夕食

メニューにもクリスマスディナーと表記されていた上、2つのイベントで違う料理を食べる習慣がないということを理解。前回、クリスマスの日は、この肉肉しい食事を午前1時から食べ始めたが、今回はまだ日付が変わるまで3時間ほど残されているので、胃への負担は少し軽減されるだろう。

食事が運ばれることには、徐々に他のお客さんも到着し始め、カウントダウンのムードが高まっていく。このベネズエラの年末のスッペシャルメニュー、文字通り重い食事なのだが、1つの皿に盛られているせいなのか、そのボリュームのわりに、ワーストフードのように、食べるのに余り時間がかからない。他のテーブルを観察しても、何事かと思うくらいの大人数でやってきた家族も、食事が始まったかと思えば、ものの15分もしないうちに、料理が片付くほど。あまり早く食べるのも、このボリュームを考慮すると、健康にはよろしくないだろう。

ランタンに願いを込めて、新年の幕開けに大空へ

ベネズエラで新年恒例のランタン

年末の食事はクリスマスと代わり映えしないベネズエラ。しかし、カウントダウンを迎える際には、ランタンを空に放つというのがクリスマスとは異なる点。

各テーブルには、それぞれランタンが配布されている。午後11時を回るころには、ほとんどのお客さんがポサーダに到着して、準備された仮設のテントのテーブルも含めて満席の状態となり、生歌がスタートしてカウントダウンにむけて会場のボルテージが上がっていく。

音楽が不可欠な点は、ラテンの国らしさを感じさせられる。曲の合間にカウントダウンまであと20分、15分、10分と、その瞬間が近づいてくるのを知らされる。周りのお客さんもそわそわし始め、ランタンを飛ばす準備を始める。

ランタンそのものには願い事は書き記さず、願いを込めて大空へ放つようだ。

ランタンには付属の固形燃料があり、火をつけてランタン内部に温かい空気を充満させる。十分に温かい空気が行き渡ったら、願いを込めてランタンを大空に放つ。

幸運なことに、この日の空は澄み渡り、天高く上昇していくランタンの灯りが点になるまで追うことができた。

天高く舞い上がるランタン

素人の目視だが、ランタンは数百メートルほどの高さまで夜空を舞い上がっているようだ。なんとも幻想的な風景。それぞれの願いが叶い、2025年が平和な1年となりますように。

ベネズエラの年越しは、食事に関してはクリスマスと同じで、それほど感動はなかったが、クリスマスにはない、ランタン飛ばしが、新年の気分を盛り上げてくれた。

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