12時の昼休みになった瞬間、自宅近くの目星を付けておいたアジア料理レストランに向かうも、既に20席ほどのこぢんまりとした店内は大半が埋まっていた。しかも、陣取っているのはご年配の団体客。誰かの誕生日祝いだろうか。それとも、ワクチン接種完了をかねて久しぶりの仲間との集いだろうか。いずれにせよ、まだ席には料理も運ばれていないし、時間帯を考慮すれば、これから食事を楽しむのであろう。
店の外から店員に合図を送り、こちらまで来てもらい質問。どうやら予約の団体客で、これから15人分のランチに取り掛かるから、料理を出すのには時間を要するとのことだった。久しぶりの外食でのアジア料理を楽しみにしていたがここはご縁がなかったということで、また次回。
第2の選択肢となったのは、先ほど通過したカフェ。店の前を通り過ぎた時は、コーヒーとスイーツだけ提供しているような雰囲気だったが、ランチを楽しんでいる客の姿が見えたので入店。テラス席で密を避けながら、日替わりランチを注文すると、間もなく料理が運ばれてきた。
■ランチの邪魔者が登場
健康志向のランチのようだ。プレートにご飯があるのに、スープの中にもフォーが入っているというダブルライス攻撃には参ったが、さっそくお味を確かめようと思ったら、目の前をハエが行き交う。コロナ禍での外食の際は、テラス席で他の客との距離を保つよう気を使っているのに、別の衛生問題ともなるハエの出現に食事を邪魔される。
手でハエを追い払っていると、店員が近づいてきてテーブルにそっとロウソクを置いてくれた。いやいやまだランチタイムですし、独り飯なのでこんなロマンチックな演出はいりませんと思っていると、摩訶不思議。ロウソクが置かれた途端、先ほどまで人のランチを味見しようと旋回していたハエがどこかに立ち去っていった。
演出の一部と思いきや、虫よけの意味合いで持ってきてくれたようだ。それにしても、ロウソクにそんな効果があったとは知らなかった。また一つ勉強になった。確かに食事中は、虫よけスプレーを使用したら、その匂いで食が進まなくなってしまうこともあるので、炎は妙案だ。
そして何よりも、客がハエに困っているのをきちんと観察して、さりげなくロウソクを置いてくれた接客に感銘。お会計には既に10%のチップ含まれていたが、気の利いたサービスに感謝の意を込め、受け取ったお釣りをテーブルに置いてカフェを後にした。