日本で生活をしていた頃は、心に余裕がなかったせいか、桜の季節や梅雨の時期の紫陽花くらいにしか植物に目が行くことがなかったが、海外生活では、当地ならでは花や植物に関心を引き付けられ、生活の中に花を取り入れるまでに変わってしまったことに驚く自分がいる。そんなベネズエラでの花のある暮らしの話。
切り花で生活空間に彩り
花のある暮らしに目覚めたのは同じく南米のコロンビアに住んでいた頃。花に造詣がない身でも、カーネーションやガーベラなどといった日本でも馴染みのものから、見たこともない花に興味を惹かれ、さらにローカルな青空市場では安く切り花を手に入れることができたので、花瓶を買って部屋に彩りをもたらすようになった。
ベネズエラでも、花屋さんをちらほら見かけることがあり、リビングのテーブルに華やかさをもたらすべく、早速花を買ってみよう。
予算に応じて花束にアレンジしてくれるほか、すでに花束になったものも売られている。まずは、現地の相場を知るためにもすでにアレンジされた白いバラの花束を購入。
値段は米ドル払いだと5ドル(=約750円)、コロンビアペソの場合20,000ペソという値段。日本の相場と比較すると随分とお手頃な印象。ベネズエラ生活では地方への出張が多く、家を空けることもしばしなので、出張がない時期を見計らって、ベネズエラでも花のある暮らしを楽しむ。
年末に向けて開花する植物
北半球では夏の暑さが和らぎ、10月末にはサマータイムも終わり、いよいよ冬支度が始まる。紅葉の季節に木の葉が色づきを迎えると、色とりどりの景色は春までお預けとなる。
現在のベネズエラの居住地は、地理上は赤道の北側に位置しているが、気温は年間を通じて一定のようで、雨季を通じて季節を感じることとなる。
そんな当地では、10月になっても開花する花が街のあちこちに。
季節を錯覚させられる一方、年間を通して景色に色合いが加味されるのは、植物からエネルギーと安らぎを与えてもらう機会が途切れないということ。気温からは季節の変化が感じられない分、開花する花の種類から月日の移ろいを観察することになるだろう。