初めてマニラのニノイ・アキノ空港を利用した際、到着ロビーにタクシーカウンターがない上、ターミナル間を移動するシャトルバスも見当たらず、散々な印象を抱いた。そのときの話はこちら。今回の旅は往復共に、ニノイ・アキノ空港でターミナルを移動しなければならない。前回の苦い経験から、シャトルバスでのターミナル移動のリベンジを達成した話。
超簡単!ターミナル1からターミナル3へ
旅の事前学習として、フィリピン人の同僚にターミナル間のシャトルバスについて尋ねると、本数はそれほどないけれども存在するという。
パプアニューギニアからフィリピン航空を利用して到着したのはターミナル1。前回到着したのはターミナル3だったので、ターミナル1は初めて。到着ロビー付近を見渡すも、シャトルバスの表示はない。
一旦、空港の建物の外に出ると、送迎用のバスが停車している。これはまさにターミナル間移動のシャトルバスではないか⁉窓にフィリピン航空の紙が掲示されており、マニラまではフィリピン航空を利用したが、これからターミナルを移動して利用するのはエティハド航空。運転手らしき方に、ターミナル3への移動希望を伝えるとこのバスではないと一蹴される。またもや万事休すか。
すると、この送迎バスの別の誘導係員がターミナル3へのシャトルバスの待合場所を教えてくれた。これは、都市伝説のように思っていたシャトルバスが実際に存在するということか。
再び空港建物内に戻る。すると、到着した際になぜ気づかなかったのかというくらい、その到着出口の目の前がターミナル間の移動シャトルバスの待合所になっている。
受付のような場所があり、移動したいターミナル、予定搭乗便を伝える。シャトルバスが出発したばかりなので45分から1時間くらいは待たなければならないとのことだったが、今回は乗り継ぎ時間が6時間ほどあったので、待ち時間はそれほど問題にならず。
待合所はスペースの半分はクーラーの効いた空港ターミナルの建物内だが、残り半分はクーラーが効いておらずマニラの蒸し暑さが堪える。暑さと闘うことはしばし、シャトルバスの到着。
ターミナルごとに乗客を分けるのではなく、乗せられるだけ乗客と荷物をバスに詰め込み、各ターミナルを巡回するようだ。運転手が手際よく、どんどんスーツケースを車中に詰め込んでいく。ぎゅうぎゅう詰めとはまさにこのこと。座席に座る以外、乗客が立って乗車できる隙間を与えないほど、荷物で車内が溢れかえる。おもけにこのシャトルバス、クーラーの設置なし。数えきれない乗客の重いスーツケースの詰め込み作業を終えた運転手は汗だく。
ターミナル間の移動には、空港の敷地内を出て一般道を通るようで、マニラ名物の渋滞にも少し捕まる。乗り継ぎの時間には余裕があったので、焦りは感じなかったが、クーラーのない車内の熱気から一刻も早く解放されたかった。
その思いも空しく、ターミナル2、ターミナル4と巡回していき、結局ターミナル3は最後まで後回しにされていた。シャトルバスは自体は無料だが、乗客の中には運転手にチップを手渡す方もいた。フィリピンのチップ文化を垣間見たが、あいにくフィリピンペソの現金が手元になく、米ドルは100ドル札しかなかったので、汗だくになって荷物を積んでくれら運転手に感謝を示したかったが、今回はありがとうの言葉だけで伝える。
迷路? ターミナル3からターミナル1へ
イギリスからパプアニューギニアへの復路は、エティハド航空でアブダビからマニラのニノイ・アキノ空港のターミナル3に到着。このターミナルこそ、初めてフィリピンにたどり着いたときに到着したターミナルで、シャトルバスが見つけられなかった場所。今回こそリベンジだ!
往路でターミナル間のシャトルバスが存在していることが確認できたので、今回はきっと見つけられるはず。到着ロビーに出ると、以前の記憶が蘇る。やはり見渡す限り、シャトルバスの案内表示はない。これはタクシーの利用を促すための戦略なのか。
出口の近くにいたおばさんに尋ねてみると、空港の出口向かって左に進むと、ファーストフード店があるので、そこを左に曲がって、それから右に行って、さらに左に曲がって…と説明が続く。迷路を進ような感じだ。全部は覚えられなかったので、ひとまず言われた通りファーストフード店を目指し、またそこで別の方に尋ねればよいだろう。
おばさんの指示通り、建物の突き当りまで進むと掲示板。そこには“Terminal Transfer”の案内。やっぱり都市伝説ではなかった。ちゃんと、シャトルバスは存在するのだ。どうして前回はこれを見つけることができなかったのだろうか。矢印に従いさらに進む。すると今後は右方向の矢印。
迷路のような説明だったが、確かに左に曲がって、右に曲がって…。そしてX線検査場所があり、その先にカウンターが現れる。
こんな奥まったところに存在しているとは。事前の調査および乗り継ぎ時間に余裕がなければなかなか見つけづらい。受付の方が3分前にシャトルバスが出発したばかりなので、次のバスまで45分ほどまたなければならないと案内してくれた。
待機している間に、携帯の充電と空港のWi-Fiを利用して次便のオンラインチェックインの手続きを済ませる。まだ時間に余裕があるだろうと、高を括って次便で追加の預け入れ荷物の支払いをオンラインで進めていると、その最中にバスが到着し呼び込みが始まる。
空港の建物から離れるとWi-Fiが弱くなり、カード決済の手続きが進まない。途中で手続きを放棄するわけにはいかず、出発ぎりぎりまで粘って、何とか決裁完了。
このシャトルバスにてターミナル3から1へ移動する。前回同様、乗客のスーツケースがバンバン積み込まれていく。
この日は月曜日の午後6時。マニラの渋滞につかまったら1時間以上、移動にかかってしまうだろうと予想。おまけに前回のシャトルバスはクーラーが設備されておらずサウナ状態。これではお土産のチョコレートが溶けてしまうと思い、飛行機を降りる直前にフライトアテンダントの方に氷を頂き、保冷バックに入れて暑さからチョコレートを守る準備万端。
ところが、今回のバスはエアコンが効いていて、むしろ車内は寒いくらい。チョコレートが溶ける心配より、体が冷えるほうが気がかりなくらい。おまけに、心配された渋滞もほとんどなく、30分ほどでターミナル1に到着。無事にリベンジ達成。
ターミナル1に比べて3の方が、奥まった場所にシャトルバスの出発場所があるので見つけづらい。また、シャトルバスそのものの運行本数が1時間に1本くらいなので、乗り継ぎ時間に余裕があるときのみ利用するのが賢明だろう。