日曜日の朝。気温が上がる前にランニングを計画。その前に、走り終えた後の朝食となるグラノラを作っておこう。作ると言っても、アーモンドやヒマワリ、カボチャの種を炒って、オート麦とココナッツの実を混ぜるだけ。香ばしい風味を出すため、トースターで10分ほど加熱。アーモンドとココナッツの香りが充満してきたころ、“チーン”とトースターのタイマーが鳴る。余熱が取れるまでしばらくトースターの中で待機してもらおう。
その間、ランニングに出かける。日差しが強くなる前に、走り出した方が疲労度も抑えられる。いつものように川沿いの道を約7キロ。同じように朝から運動に励むランナーとすれ違いながら。家の近くの公園でストレッチをした後、帰宅。
扉を開けるなり、鼻を突くような焦げた臭い。したたる汗を流すため、シャワーに向かいたい衝動を抑え、反対方向のキッチンへ。すると、トースターのオレンジ色の電源が煌々と輝いているではないか。そして、トースターの隙間から、煙がキッチンの空間へ放流している。
恐る恐るトースターを開けると、もはやあのおいしそうに見えたグラノラの面影はなくなり、ただの炭のよう。なんてことだ。どうやら、このトースター、チーンとなった後も、コンセントを抜かない限り、永遠に温め続けるようだ。あの勢いよくなった“チーン”という音を完全に信じ切ってしまっていた。
トースターの不満を述べていても埒が明かないので、グラノラを取り出し、テラスで煙が収まるまで放置。幸い、火事のような惨事に至らずに済んだので、目の前のグラノラの損失は受け入れざるを得ない。次回から外出の際は、調理を終えて、調理器具の電源が切れていることを確認してから家を空けるようにしなければならない、という教訓を得た日曜日の朝となった。