政府の税制改革案に反対するデモをきっかけにした治安当局と一般市民の衝突は日を追うごとに激化し、犠牲者の数も増えていった。税制改革法案の提出は取り下げられたものの、市民の怒りは収まらず、主要都市の幹線道路にバリケードを設けて徹底抗戦の構え。先行きの不安が高まる中、勤務先からは不要不急の外出の禁止、不測の事態に備えて食料の備蓄を指示された。
デモ隊の動きが見られないのを確認して、足早にスーパーへ向かう。暴動が発生すると、略奪が起きてスーパーの営業もいつまで続けられるか分からない。幸い店内に混雑はなく、スムーズに入店できた。
普段はこのように青々とした野菜で溢れる生鮮食品コーナーだが、
スッカスカ。トマトやホウレンソウがわずかに残っているだけ。
普段はあまり買わないハムも保存食にと考えてみたが…。
こちらも陳列棚は根こそぎ取られたようにわずかにソーセージが残るのみ。
■空っぽの陳列棚が不安を煽り買い占めに
道路が封鎖されたことにより物流がストップしてしまい、商品が供給されていない。空っぽの陳列棚に精神的な不安を煽られ、不安を消し去るために「今、買っておかなければ」という心理が働く。買い占めが発生してしまうのが理解できる。しかし、ここは冷静に。普段はあまり購入しない缶詰や冷凍食品を少し調達して、保存食として確保。
レジには文字通り買い占めをしている客の姿もあったが、不安な状況を考慮すれば自然な行動だろう。結局、物流の混乱は1週間ほど続いたが、徐々に落ち着きを取り戻していった。
